やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2019/08/27
消費税・軽減税率導入後の価格表示方法2

[相談]

 私は個人でレストランを営んでいます。
 当店の売上高の内訳は、店内飲食によるものがほとんどを占めていますが、ごく一部、常連客の要望に応じてデザートを持ち帰り用として販売しています。

 今年10月1日の消費税率引き上げ以後は、店内飲食と持ち帰り用デザートに適用される消費税率が異なるため、価格表示方法を変えなければならないと聞いたのですが、ほんの少ししかない持ち帰り販売のために価格表示方法を分けるのは、費用対効果の面から考えて非合理的だと思っています。
 さらに、持ち帰り用デザートについては、別途、保冷剤等の費用が生じることから、店内飲食より採算が良くありません。

 そこで、店内での価格表示方法については税率10%による表示のみとし、持ち帰り用デザートの税抜価格を、店内飲食の税抜価格より実質的に引き上げたいと考えていますが、この方法は、消費税法その他の法令上、何か問題があるでしょうか。


[回答]

 ご相談の価格表示方法については、消費税法その他の法令上、特に問題はありません。ただし、ご留意いただきたい事項がありますので、下記解説をご参照ください。


[解説]

1. 消費税法上の価格表示に関するルール

 消費税法では、事業者は、不特定多数の人に商品の販売等を行う場合において、あらかじめその価格や料金等を表示するときは、消費税額を含めた価格を表示(総額表示)しなければならないことと定められています。


2. 持ち帰り商品の税抜価格を、店内飲食の税抜価格より高く設定することの可否

 経営上の諸般の事情から、今回のご相談の場合のように、持ち帰り商品の税抜販売価格を高く設定し、店内飲食と持ち帰り販売商品の税込価格を同じにしたい、と思われている経営者は少なくないように思います。
 この点について、同じ商品について店内飲食と持ち帰り販売商品で税抜価格が異なるのはおかしいのではないか、と考える向きもあるかとは思いますが、国の見解によれば、「事業者がどのような価格設定を行うかは事業者の任意である。そのため、軽減税率(8%)が適用されるテイクアウト等の税抜価格を標準税率(10%)が適用される店内飲食より高く設定、又は店内飲食の税抜価格を低く設定することで同一の税込価格を設定することも可能である。」とされています。
 したがって、今回のご相談のような価格表示方法は、消費税法その他の法令上、特段の問題はないこととなります。


3. 留意点

 上記2.のとおり、同じ商品について店内飲食と持ち帰り販売商品で税抜価格が異なること自体は法令違反にはなりません。
 ただし、来店客からその点についてのクレームが発生する可能性は否定できません。
 そこで、今回のご相談の事例で言えば、「持ち帰り用デザートについては保冷剤等の費用が別途生じるため、税込価格を店内飲食と同額としております。」など、税抜価格が異なることについて、合理的な理由を説明できるよう、あらかじめ準備しておくことなどの対応が必要となるのではないかと思われます。


 軽減税率制度導入後の顧客とのトラブルやクレームを避けるためにも、価格表示方法をはじめとする店舗運営方法について、できれば軽減税率導入前に、ぜひ当事務所へご相談ください。


[参考]
 消法63、平成30年5月18日消費者庁・財務省・経済産業省・中小企業庁「消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について」、不当景品類及び不当表示防止法5など


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